最近の記事

「ありがとう」の意味を改めて知る!

以前、「日本のしきたり」に関する

講義を聞く機会がありました。

 

人日の節句、重陽の節句など

日本の風土や文化に根ざした

季節行事や考えをはじめ日本語の使い方や

成り立ちなどについて話されていて

とても、勉強になる内容でした。

 

そのお話しの最後に、質疑応答の時間があり

参加されていた年輩の女性から

こんな質問が出ました。

 

「目上の方に『ご苦労様』の言葉は

適さないと聞いたのですが、その言葉以外で

どんな言葉を使えばいいのでしょう」

 

と言うもので、続けて

 

「ご近所の方で、いつもしんどい作業を

してくださる方がいるんですが

『ご苦労様』とは言えないので

どう伝えればいいのか、迷うんです」

 

と言うのです。

 

確かに、『ご苦労様』は

年上、上司といった目上の方が

年下、部下などを気遣ってかける言葉なので

相手が、自分より目上の方であれば

『ご苦労様』は、失礼な言葉遣いになります。

 

そこで、講師がその女性に対し

「あなたは、その人に何を

伝えたいんですか?」と問いかけました。

 

すると、その女性は

「感謝の気持ちを伝えたいんです」と

おっしゃるのです。

 

で、出た答えは

「では、『ありがとうございます』で

いいんじゃないですか」という

実に明白なものでした。

ありがとう サンキュー

 

そして、その講師の方は

「ありがとう」という言葉について

お話ししてくださいました。

 

『ありがとう』の語源は、

『有り難い』になり

『有る』ことが『難しい』と書きます。

 

要するに『あり得ない』ようなことが

おこったことへの感謝の言葉なんですよ。

 

「ありがとう」を分解すると

「あ」は、諦めないこと

「り」は、理屈を言わないこと

「が」は、我を張らないこと

「と」は、共に話し合うこと

「う」は、美しい行い、気持ちのこと

なんだそうです。

私自身とても、勉強になりました。

 

 

ちなみに、話しは戻りますが

「ご苦労様」の代わりに

「お疲れ様」も場合によっては

良いかと思います。

 

「お疲れ様です」は、

目上の方に対しても使えますから。

 

 

いつも、読んでくださっている

みなさんに、感謝の気持ちを込めて

「ありがとうございます」m(_ _)m

 

<あわせて読みたい関連記事>

身近にある「雅楽」の言葉(1)

身近にある「雅楽」の言葉(2)

読みやすい文章は、見た目もスッキリ!

ブログやメルマガなどを見ていて、

良い文章なのに、

なぜか読みにくさを感じることありませんか。

 

それは、文章の見た目

問題があるかもしれません。

 

「えっ、Σ( ̄▽ ̄ノ)ノ 文章なのに見た目?」

そう思われた方もいるでしょうね。

 

そう、見た目です(*^-^*)

 

例えば、

次の<A><B>では

どちらが、読みやすいでしょうか。

 

<A>

別名、南蛮柿(なんばんがき)や

唐柿(とうがき)とも呼ばれるイチジク。

イチジクは漢字で無花果と書きますが

花が無いわけではありません。

実の中に小さく白い花を咲かせるのです。

食べたときに、プチプチとした

感触がありますよね。あれが花なんですよ。

<B>

別名、南蛮柿(なんばんがき)や

唐柿(とうがき)とも呼ばれるイチジク。

 

イチジクは、漢字で「無花果」と書きますが

花が無いわけではありません。

実の中に小さく白い花を咲かせるのです。

 

食べたときに、

プチプチとした感触がありますよね。

あれが花なんですよ。

いちじく ねこ

 

いかがでしょう。

<A><B>どちらが読みやすかったですか?

 

たぶん、ほとんどの方は

<B>と答えたはずです。

 

書いてある内容は、両方とも同じなのに

なぜ、読みやすさに違いがでるのか。

 

<B>に施したのは、下記の3つ

1)話しを分かりやすくするため

 話しの内容ごとにまとめ行間を空けた。

 

2)イチジクは、漢字で「無花果」と・・・

 の箇所に「、」と「」を加えた。

 

3)最後の段落のところで、

 改行の位置を変えた。

 

行ったことは、たったこれだけ!

ほんのわずかなことが

読み手に与える印象を変えてしまうのです。

 

みなさんも、やってみてくださいね。

 

「暗黙知」という知識の差をうめる

子どもにも、分かりやすく伝えることで

知られている池上彰さんが

以前、こんなことを言っていました。

 

「分かりやすく伝えるとは、

暗黙知のギャップに気付くことだ」と。

 

「暗黙知」とは、学校で教わった自覚のない

自然に身についた知識のことを言います。

雪山 登山

 

池上さんが、NHKの「こどもニュース」を

担当していた頃、子どもたちに

分かるようになっているか

本番前に読み聞かせて、内容が分かるまで

書き直していたそうです。

 

その時の出来事として話されていたのが

次の文章です。

大学生14人が冬山に登ったら、

雪が深くて下山できなくなりました。

というニュースを読んだとき

子どもたちから

「なんで、寒くて危険な山に登ったの?」と

質問が出たそうです。

 

私たち大人は、冬山登山というものを

知っていますが、子どもたちは知りません。

これが「暗黙知」のギャップなんです。

 

そこで、ニュースの原稿を

大学の○○○部という山登りを楽しむ

クラブの学生14人が、クラブ活動で

冬山に登ったところ、雪が深くて

下りられなくなりました。

という文章に書き直したそうです。

 

伝える側と

受け取る側の

知識の差を知ることが、

「わかりやすく伝わる」ことになる!

ということなんですね(^∇^)

 

みなさんは、自分の伝えたいことと

世の中の方々が知っていることの

ギャップを理解していますか。

 

「教授」と「教示」、正しいのはどっち?

ビジネスシーンにおいて、

電話やメール文などで、こんな対応を

見聞きしたことありませんか。

 

「・・・について、ご教授いただけますか」

 

これは、その事について

教えて欲しい時やその情報が欲しい時に

よく使われる表現です。

 

が、

この「教授」という表現

実は、間違っているんです。

ビジネス 仕事 パソコン

 

「教授(きょうじゅ)」に似た言葉で

「教示(きょうじ)」というのがあります。

 

多くの人が「教授」と「教示」を

勘違いしているんですよね。。。

「教授」とは、

学問や芸術(技芸)など、

高度な技術や技能を教え授けることを

言います。

「教示」とは、

教えてください、を丁寧にした言い方で

知識や方法を教えること、伝達することを

意味します。

 

簡単に言うと

 

「教授」は、長期に渡って

専門的知識を教えてもらう場合。

英語だと「teach」です。

「教示」は、ちょっと教えてぇ〜、

といったイメージでしょうか。

ちょっとカジュアルな例え方ですが

英語だと「tell」になります。

 

よって、ビジネスシーンなどで

分からないことがあって

相手にそれを聞きたい場合は

「ご教示ください」

「ご教示いただきたく存じます」

が、正しい表現になります。

 

みなさんは、何かを教えてもらう場合

どんな表現をされていますか。

 

なるほど!と納得する表現

日常の会話で、「なるほどですね〜」

という言葉を、耳にすることって

ありますよね。

 

この表現について

「これって、どうなんでしょう?」

と、質問をいただきました。

 

 

「なるほどですね〜」には

「なるほど、そうですね」が短縮された、とか

「なるほど」に丁寧語の「です」が付ついた

といった諸説があります。

 

「なるほど」は、

すぐに、とても、よく、ぐんぐん、

などを指す「副詞」と

へぇ〜、わぁすごい、やったー、

などを示す「感動詞」に区別されます。

 

若い世代にとってこの表現は、

感動詞(感嘆)として

使われていることが多いように感じます。

 

その一方で「なるほど」という言葉は

“他人の言葉を受け入れて、

自分も同意見であることを示す”という

意味も持っています。

 

「なるほど」を言い換えると

「確かに」「やはり」「思った通り」

「まさしく」「その通り」などになるため

「なるほど・・・だ」は

「確かに・・・だ」

「やはり・・・だ」

「まさしく・・・だ」という表現になります。

なるほど

 

ただ、

一方では、共感を示す感嘆に聞こえますが

一方では、横柄だったり、

上から目線のように聞こえてしまいます。

 

このように、捉えられ方が

分かれる場合は、

使う場面や相手によって、

使い分けが必要となります。

 

 

知人・友人・会社の同期といった

気心の知れた間柄であれば

「なるほどですね〜」は、

いいかもしれませんが、

目上の方やビジネスシーンなど

誤解をうみたくない場面での使用は

不適切といえるでしょう。

 

目上の方やビジネスとして使う場合は

「おっしゃる通りです」

「私もそのように思います」

「ためになります」といった

表現がふさわしいですね。

 

 

うっかりやっちゃいそうですが。。。

みなさんは、大丈夫ですか。